北海道の西海岸の田舎町は、はるか昔、ニシンの大群に沸いた時代、贅沢を極めた建物を今に残す。
日本最北の酒蔵をもち、サクランボやリンゴなど、果物の生産地の北限、特産の甘エビ出荷取扱量は全国有数。他にウニ、タコ、サケ、アワビなどの北の味覚が溢れている。
全国55番目に登録された暑寒別・天売焼尻国定公園の主峰、暑寒別岳のふもと、清流のまち増毛。

暑寒別天売焼尻国定公園
SHOKANBETSU TEURI YAGISHIRI QUASI NATIONAL PARK
海鳥の天売島、風に育てられた自然林の焼尻島、豊かな生命のゆりかご雨竜沼湿原、潮風のあたる深い山並みの増毛山地、断崖にさえぎられる雄冬海岸。太古の地球が息づく暑寒別天売焼尻国定公園は、人慣れしない自然の宝庫です。この公園は、暑寒別岳連山と雄冬海岸、浜益・厚田海岸、雨竜沼湿原、天売島、焼尻島の6つの地区からなり、中でも、増毛町内には暑寒別岳連山の大部分と雄冬海岸を合わせると公園面積の4割以上を占めています。
暑寒別周辺では山麓を深い樹林におおわれる1千メートル級の山々、中腹には広大な高層湿原、山頂付近には高山植物の群落が咲き競う原始の自然が今なお残されています。その暑寒別の山塊がそのまま海になだれ込む雄冬海岸は、百メートルを超える断崖が続く交通の難所であったため、長期にわたり手をつけられなかった北海道の自然そのものが残されています。

増毛の食べものといえば何と言ってもお寿司。水揚げされたばかりの活きの良いネタがそろうのは浜の町ならではのこと。”にぎり”に”ちらし””巻もの”など職人の技が楽しめます。また、数多くある民宿では自慢の浜料理のおもてなしにリピーターも増えています。海に沈む夕陽を眺めながら、のんびりとした一日を楽しむ贅沢。市街地から少し離れたところにある町営の温泉は、広大な日本海をひとりじめできる露天風呂も備える隠れスポットも。自然豊かな増毛で食と景色を満喫してください。

浜の町・増毛ですが、味覚はそれだけではありません。日本最北のくだもの産地として、サクランボやブドウ、洋梨、リンゴなど芳醇な香りを放つ甘いくだものたちが訪れる人を楽しませます。暑寒別岳の麓、清流の暑寒別川の豊かな水と寒暖差のある地域特性が、増毛のくだものの品質を高めています。また、同じく日本最北として造り酒屋があります。明治期から営まれている伝統の味は、最北の蔵らしい辛口のキレのある酒として人気を得ています。

往年の名画「駅STATION」、高倉健さん主演で昭和56年に公開されています。当時は、町内の雄冬地区までは道路がなく、定期船にたよるしかない道のりでした。また増毛駅前には旅館や雑貨店などの風情ある建物が並び、映画のワンカットのような佇まいに、いくつかの作品が作られています。終着駅増毛。寂れた響きに情緒を感じながらも、気高き暑寒の峰や雄冬の海岸の荒々しさ、そして暖かさに無言のメッセージを感じさせる町です。
